子供を医学部に入学させるなら知っておきたい!奨学金の種類【まとめ】

医学部の奨学金の種類について

子供を医学部へ通わせる時、悩んでしまうのが学費です。国公立で年間数十万円、私立に至っては年間数百万円ものお金が必要になります。負担が大きいため、支払うのが困難な方も少なくはないでしょう。

しかし、医学部はさまざまな奨学金が用意されています。公的機関によるものと、民間によるものがありますが、いずれも上手に活用すれば負担を大いに軽減できます。なお、主な奨学金の種類の5つに大別されます。

・自治体の奨学金
・学資ローン
・日本学生支援機構の奨学金
・大学独自の奨学金
・矯正医官修学資金

それぞれの特徴を以下で解説します。

自治体奨学金

都道府県などの自治体が提供するものが自治体奨学金です。なお、各自治体が独自に行っていますので、奨学金制度が存在しない場合もあります。利用を希望する方は、事前に奨学金の有無を確認しておきましょう。

自治体奨学金は金額が非常に大きく、毎月30万円程度を支給してもらえることもあります。返済は不可欠ですが、所定の条件を満たせば返済が免除される自治体も少なくありません。この条件ですが、例えば指定の医療機関で数年間勤務する、僻地の医院で数年従事するなど、医者として一定期間働くことを前提にしている場合がほとんどです。

申込みは入学後が基本になっています。自治体によっては入学前から審査・支給が行われますが、枠が非常に少ないので注意しましょう。このため、入学金や前期の授業料などの資金は別途用意する必要があります。

学資ローン

学資ローンは、公的機関(日本政策金融公庫)と民間の銀行がそれぞれ貸付を行っています。それぞれ上限額や貸付のタイミングが違いますので、分けて考えたほうがよいでしょう。

まず日本政策金融公庫の学資ローンですが、上限額は350万円です。申込みから入金までにかかる期間は2〜3週間ほどですが、入学の前後は審査が混み合い、多少前後する可能性があります。ただし、入学前から申し込む事ができますので、資金計画を立てやすくなります。一括で入金されるため、入学金や前納分の学費を工面したい、という時におすすめです、

一方、民間の銀行が実施する学資ローンは、申し込みできるタイミングは入学後が一般的です。しかし、日本政策金融公庫よりも上限額が大きく、1,000万円程度借りられる場合もあります。審査スピードも早いため、1週間で融資が実行されることも珍しくありません。もし入学後にすぐ資金が必要な際は、まとまったお金が必要な時は、銀行の学資ローンを検討するとよいでしょう。

日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構も奨学金を提供しています。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、同機構の奨学金は3種類あります。

・第一種(無利子)
・第二種(有利子)
・入学時特別増額貸与(有利子)]

無利子で利用できるのが第一種の奨学金です。月々の支給額は約3〜6万円ですが、審査がもっとも厳しく、世帯所得により支給額が変動します。

第2種は有利子ですが、在学中は無利子で、卒業後から利息が発生します。支給額は毎月3〜16万円となっており、第一種よりも上限額が10万円ほど増えています。

最後の入学時特別増額貸与は少し特殊で、10〜50万円が一括で支給される奨学金です。ただし、日本政策金融公庫の貸付を受けられない場合にのみ利用できます。もし審査時に貸付を受けられる状態であれば、断られてしまうので注意しましょう。

大学独自の奨学金

大学がそれぞれ独自に奨学金制度を設けていることもあります。特に私立の医学部に多く、6年で数千万円かかる学費の大部分を奨学金でまかなえます。ただし、特待生や家庭の事情から学費の支払いが難しい学生を対象にしており、審査基準や貸与される金額が異なります。厳しい条件が設けられていたり、枠が限られる大学もありますので、入学前にしっかり確認することをおすすめします。

大学の奨学金は、特定の条件を満たした際に返済が免除される場合もあります。例えば産業医科大学の修学資金貸与制度では、卒業後に貸与期間の1.5倍に相当する期間、医者として働けば、奨学金全額が返済不要になります。仮に6年間奨学金を借りた場合、9年間従事すれば全額免除です。

他にも学費の半分以上が貸与されるなど、各大学がさまざまな奨学金や支援制度を設けています。特に私立の医学部へ通わせたい方は、利用を検討してみるとよいでしょう。

矯正医官修学資金

矯正医官修学資金は法務省が独自に行っている奨学金制度です。かなり条件が特殊で、卒業後は貸与機関の1.5倍の期間、少年院などの施設で矯正医官として働くことが前提になっています。ただし、申込み時点で医学部3年の学生のみが対象のため、入学後すぐには申し込めません。

なお、月々の貸与額は約5万円です。無利子で利用できますが、枠が非常に限られていますので、申し込む際は早めに手続きしましょう。もし子供が矯正施設で医者として働きたい、と考えているなら、利用を検討してみてはいかがでしょうか。