塾や予備校に行かずに医学部に合格するのはかなり難しい
塾や予備校へ通わず、独学で医学部を目指している子供は少なくありません。しかし、独学で合格するケースは非常にまれで、ほとんどの場合は浪人しています。特に子供を現役合格させるのは厳しい、と認識しておくべきです。
独学で医学部合格を目指すのが難しい理由は以下の3つがあります。
・教師の医学部受験に対するノウハウが乏しい、あるいは皆無
・医学部受験生向けの校内模試を受けられない場合もある
このように、独学で合格を目指すことは非常に難しく、さまざまな面で不利になります。医学部の受験情報が不足しやすいですし、教師が受験ノウハウを持っていないのも実情です。また、通常の公立・私立では、医学部受験生向けの校内模試を受けられないことも考えられます。
総合的に見て、塾や予備校へ通わずに受験対策するのは困難といえるでしょう。よほどのことでなければ、子供を塾か予備校に通わせることをおすすめします。もし経済的に余裕があれば、医学部予備校を検討するのもよいでしょう。
塾に行かずに医学部に合格した人の勉強法
しかし、独学のみで医学部合格する人がいるのも事実です。実は私の身近なところにも一人いまして、息子の後輩のK君は自力で医学部の合格を掴み取りました。
もちろん並々ならぬ努力の結果ですが、他の人とは違った勉強方法を取り入れていました。彼から聞いた話を端的にまとめると、次の3つが自力合格に欠かせないポイントといえます。
・毎日数時間勉強した
・先生を上手に活用した
この全てを着実に実行することで、医学部の合格を掴み取ったのがK君です。スケジュールを立てて毎日数時間勉強するだけでも、相当のやる気とモチベーションがなければ続けられないでしょう。
塾などの講師の代わりに先生を活用している点も、素晴らしいの一言に尽きます。詳しくは後述しますが、彼と同じ努力ができるなら、独学での合格も不可能ではないでしょう。
勉強のスケジュールを計画的に立てていた
K君は1週間単位で学習プランを自ら作り、更に毎日のタイムスケジュールを作って勉強したそうですから、効率よく勉強する方法を知っていたことが伺えます。ただ、スケジュールを立てるだけでも非常に大変でしょう。
実際の勉強方法ですが、例えば今日は英語の長文を解き、明日は数学の微積分を…といったように、前もって学習する教科と内容を考えていたようです。
そのため、事前に勉強のスケジュールを立てることが独学合格に必要な要素といえます。
とにかく勉強を頑張っていた
医学部に現役合格するなら、毎日しっかりと勉強しなくてはいけません。
しかし、K君は親に言われずとも自発的に勉強していたのです。それも平日は一日5~6時間、休日にいたっては10~12時間も勉強を頑張っていました。
1日5時間でも凄いですが、彼は高1の時に医学部を志望し、それと同時期に部活も辞めて時間を確保していました。つまり部活を削ってでも勉強しないと合格が難しい、と分かっていたからです。このようにして時間を確保した彼は、毎日休むことなく勉強を頑張り、合格を掴み取りました。
独学で合格を目指すなら、子供に毎日これだけの勉強をさせる必要になります。子供が独学で医学部を目指している家庭もあると思いますが、本気で勉強できるかどうか、一度真剣に話し合ってみることをおすすめします。
高校の先生をフル活用していた
塾や予備校に通えないと、講師へ質問をすることができません。そこでK君は、当時通っていた高校の先生をフルに活用していました。つまり先生を予備校講師の代わりにしていたのです。授業で分からなかったことはすぐに質問し、それ以外でも時間があれば、先生を質問攻めしていたようです。
また、彼は予習や復習を欠かさなかったほか、授業の内容は授業中に全部覚えるように心がけていました。そして分からなかった箇所はすぐに質問していたのです。その結果、勉強した内容をしっかり身につけることができ、医学部合格に必要な学力を得ました。
医学部予備校と塾の違い
このように、K君並の才能があれば、独学で合格することも不可能ではありません。しかし、人並みならぬ努力も欠かせないため、普通は塾や医学部予備校へ通わせるべきでしょう。子供を医学部へ合格させたい方は、ぜひ検討をおすすめします。
ただし、塾と医学部予備校は似て非なるものです。授業料については塾が圧倒的に安いですが、カリキュラムの質や講師のレベルは医学部が勝ります。
塾はあくまで学校の授業の復習や、基礎を身につけるのが目的です。一方の医学部予備校は、医学部の合格に必要な学力を身につけ、かつ入試対策を行う場所となります。そもそもの目的が違いますので注意しましょう。
ところが、医学部予備校を選べば絶対合格できるとは限りません。子供のやる気や現在の学力次第ですので、どちらがよいか本人と話し合って決めるのがよいでしょう。
まとめ
以上、独学で医学部受験を突破できる可能性について解説しました。すでに結論は出ていますが、ここで記事をまとめてみます。
・人一倍の努力ができるなら自力での突破も不可能ではない
・塾と医学部予備校は違うものと認識するべき
K君のように努力を惜しまない子供なら、自力での合格も不可能とはいえません。しかし、それが無理なのであれば、塾や医学部予備校へ通わせることを検討しましょう。